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特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート 疾患
食道癌
著者: 丹羽由紀子1
所属機関: 1東京女子医科大学八千代医療センター消化器外科
ページ範囲:P.57 - P.61
文献購入ページに移動食道表在癌の大部分は自覚症状がなく,その発見契機は90%以上が内視鏡である.一方,食道表在癌の内視鏡診断は難しく,わずかな発赤や陥凹,隆起に注目して詳細に観察することが必要である.ヨード染色は食道表在癌発見に有用だが,胸焼けなどの副作用があり,また食道炎を惹起するためルーチンには使用できない.近年急速に普及したnarrow band imaging(NBI)やflexible spectral imaging color enhancement(FICE)は被検者に負担をかけることなく,食道扁平上皮癌を効率よく発見することができる.また,これらの画像強調内視鏡を併用した拡大内視鏡観察は鑑別診断,深達度診断に応用されている.
2011年に発表された日本食道学会拡大内視鏡分類1)におけるType B1,B2,B3それぞれが深達度T1a-EP〜LPM,T1a-MM〜T1b-SM1,T1b-SM22)に相当しているとしている.またAVA(avascular area)-small,AVA- middle,AVA-largeの順に深達度T1a-EP〜LPM,T1a-MM〜T1b-SM1,T1b-SM2に相当するとし,B1血管のみで構成されるAVAの深達度はT1a-EP〜LPMに相当するとした(表1).このように,日本食道学会拡大内視鏡分類の表現法は内視鏡のエキスパートでなくても表現できるため,多くの内視鏡医が深達度診断の議論に加われる共通の言語として広く浸透した3).
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