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文献概要
特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート 疾患
胆石症,急性胆囊炎,急性胆管炎
著者: 桐山勢生1
所属機関: 1大垣市民病院消化器内科
ページ範囲:P.144 - P.148
文献購入ページに移動 胆石症は,消化器疾患の代表的なcommon diseaseの1つであるが,結石の存在部位により,胆囊結石,総胆管結石,肝内胆管結石に分けられる.胆囊結石の多く(60〜80%)は無症状で,治療(胆摘術)を行う意義は少ないとされている.また肝内胆管結石も近年は無症状例が増加しているが,肝内胆管癌や肝萎縮,胆道狭窄や拡張がなければ経過観察が推奨されている1).一方,総胆管結石に対しては,無症状であっても胆管炎のリスクがあり治療を行うことが推奨されている1).このように,胆石症は,実際に治療の対象となるのは,無症状で発見される一部の総胆管結石症例を除き,何らかの症状をきたした症例となるが,特に急性胆囊炎・胆管炎を併発すると,急性期に適切な対応が必要とされ,臨床的に重要な疾患といえる.
急性胆囊炎,胆管炎の診療ガイドラインは,本邦では2005年に日本語版第1版が発刊され2),2007年には日本発の国際版診療ガイドラインとして『Tokyo Guidelines 2007(TG07)』が発表された3).その後,新たなエビデンスに基づいてアップデートが重ねられ,さらに2013年にTG134),2018年にはTG18と改訂され5),それに従って日本語版も現在第3版に改訂されている6).
急性胆囊炎,胆管炎の診療ガイドラインは,本邦では2005年に日本語版第1版が発刊され2),2007年には日本発の国際版診療ガイドラインとして『Tokyo Guidelines 2007(TG07)』が発表された3).その後,新たなエビデンスに基づいてアップデートが重ねられ,さらに2013年にTG134),2018年にはTG18と改訂され5),それに従って日本語版も現在第3版に改訂されている6).
参考文献
1)日本消化器病学会(編):胆石症診療ガイドライン2021 改訂第3版,南江堂,2021
2)急性胆道炎の診療ガイドライン作成委員会(編):科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆囊炎の診療ガイドライン,医学図書出版,2005
3)Tokyo Guidelines 2007(TG07). J Hepatobiliary Pancreat Surg 14:1-126, 2007 https://onlinelibrary.wiley.com/toc/18686982a/2007/14/1(2022年8月閲覧)
4)Tokyo Guidelines 2013(TG13). J Hepatobiliary Pancreat Surg 20:1-109, 2013 https://onlinelibrary.wiley.com/toc/18686982/2013/20/1(2022年8月閲覧)
5)Tokyo Guidelines 2018(TG18). J Hepatobiliary Pancreat Surg 25:1-100, 2018 http://www.jshbps.jp/modules/en/index.php?content_id=47(2022年8月閲覧)
6)急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン改訂出版委員会(編):急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2018,医学図書出版,2018
7)Yokoe M, et al:Descriptive review of acute cholecystitis;Japan-Taiwan collaborative epidemiological study. J Hepatobiliary Pancreat Sci 24:319-328, 2017
8)Kiriyama S, et al. Clinical application and verification of the TG13 diagnostic and severity grading criteria for acute cholangitis;An international multicenter observational study. J Hepatobiliary Pancreat Sci 24:329-337, 2017
9)日本消化器病学会(編):胆石症診療ガイドライン,南江堂,2009
10)Lipsett PA, Pitt HA:Acute cholangitis. Surg Clin North Am 70:1297-1312, 1990
11)Murphy JB:The diagnosis of gall-stones. Am Med News 82:825-833, 1903
12)Kiriyama S, et al:New diagnostic criteria and severity assessment of acute cholangitis in revised Tokyo guidelines. J Hepatobiliary Pancreat Surg 19:548-556, 2012
13)O'Connor MJ, et al:Acute bacterial cholangitis;An analysis of clinical manifestation. Arch Surg 117:437-441, 1982
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