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書評
—岡 秀昭 編著 佐々木 雅一 著—微生物プラチナアトラス 第2版
著者: 岩田健太郎1
所属機関: 1神戸大学医学研究科感染治療学分野
ページ範囲:P.2219 - P.2219
文献購入ページに移動 本書の帯に「このアトラスは美しい写真集」だ,とある.驚くべきことに,巻末にはその美しい写真の撮影法が解説されているのだ.著者がコロニーや微生物を「美しく」撮影することに並々ならない情熱を燃やしていることが分かる.確かに,ブドウ球菌や酵母様真菌コロニーの「テラテラ感」の美しさは,本書の特徴をよく表現している.感染症屋は微生物に魅せられたフェチシストが多いから,満足するのではなかろうか.
だが,本書の真価はそこにはない,と僕は考える.繰り返されるのは「検査室に通え」というメッセージだ.そこで,こうしたコロニーやグラム染色を直視できますよ,と述べているのだ.そこで大切なのが散りばめられた「臨床上のポイント」である.微生物検査は手段であって,目的ではない.数々のコロニーや顕微鏡的知見が患者の病態にどのようなインプリケーションを持ち,どのような対応が求められ,そして患者のアウトカムにどう影響するのか.美しい写真が「意味するところ」が詳しく解説されているのが,本書が類書と大きく区別されるべき特徴だ.細長いFusobacterium の写真の下に,「咽頭炎ののちに,発熱が続き,血液培養で本菌が検出されればレミエール(Lemierre)症候群を疑う」(p. 184)と書かれているのがいいのだ.
だが,本書の真価はそこにはない,と僕は考える.繰り返されるのは「検査室に通え」というメッセージだ.そこで,こうしたコロニーやグラム染色を直視できますよ,と述べているのだ.そこで大切なのが散りばめられた「臨床上のポイント」である.微生物検査は手段であって,目的ではない.数々のコロニーや顕微鏡的知見が患者の病態にどのようなインプリケーションを持ち,どのような対応が求められ,そして患者のアウトカムにどう影響するのか.美しい写真が「意味するところ」が詳しく解説されているのが,本書が類書と大きく区別されるべき特徴だ.細長い
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