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連載 明日から主治医! 外国人診療のススメ・9
外国人を診るときに注意すべき感染症「結核」
著者: 高柳喜代子12
所属機関: 1高田馬場さくらクリニック 2結核予防会総合健診推進センター
ページ範囲:P.2356 - P.2361
文献購入ページに移動内科後期研修医(翔太)が「まつもとクリニック」の内科外来で,家庭医(松本)と…
翔太)松本先生,先ほど初診で来られた20代のベトナム人男性なんですけど,3カ月ぐらい前から咳が続いていて,近くの耳鼻咽喉科や内科で薬を処方してもらったけど治らないそうです.1カ月前に新型コロナウイルス感染症にもかかったらしいし,感染後咳嗽とか咳喘息みたいなやつでしょうか?
松本)これまでどんな薬が処方されてきたのかしら…?
翔太)えっと…,最初の内科では総合感冒薬と咳止め,耳鼻咽喉科では抗ヒスタミン薬と点鼻薬,そのあと別の内科で1回目に咳止め,2回目にレボフロキサシン(クラビット®),3回目に吸入ステロイドが処方されています.やっぱり喘息を考えたんですね,きっと.
松本)5回も受診しているけど,その間,胸部X線検査は? この数年間,健診とかで撮っている?
翔太)薬を処方してもらっただけで検査はしてないそうです.日本に来て3年目,この2年間の健診歴は…ないみたいですね.
松本)長引く咳,外国生まれ,20代….翔太先生! 急いで胸部X線写真を確認しましょう!!
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