文献詳細
特集 慢性疾患診療のお悩みポイントまとめました—高血圧からヘルスメンテナンスまで
脂質異常症
文献概要
Point
◎一次予防では治療の絶対的な管理目標を定めることは困難なので,スタチンの投与を検討する患者もいるが,追加の治療は不要である.
◎80歳以下の二次予防では全例ストロングスタチン(ロスバスタチン)の内服を行うが,二次予防の追加治療に関しては,心血管イベントリスクが高いと考えられる症例についてエゼチミブ(ゼチーア®)の追加投与を検討してもよい.
◎副作用でスタチンが内服できない高リスクの患者には,エゼチミブ投与が強く推奨されている.PCSK9阻害薬を検討する場合は専門医にコンサルトする.
◎高トリグリセリド(TG)は500 mg/dLを超えない限りは原則治療しない.二次予防としてスタチンを内服したうえでTGが高い場合,イコサペント酸エチルの投与を検討してもよい.心血管イベントリスクが高いと考えられる患者の第一選択はスタチンであり,フィブラート系薬との併用は行わない.
◎一次予防では治療の絶対的な管理目標を定めることは困難なので,スタチンの投与を検討する患者もいるが,追加の治療は不要である.
◎80歳以下の二次予防では全例ストロングスタチン(ロスバスタチン)の内服を行うが,二次予防の追加治療に関しては,心血管イベントリスクが高いと考えられる症例についてエゼチミブ(ゼチーア®)の追加投与を検討してもよい.
◎副作用でスタチンが内服できない高リスクの患者には,エゼチミブ投与が強く推奨されている.PCSK9阻害薬を検討する場合は専門医にコンサルトする.
◎高トリグリセリド(TG)は500 mg/dLを超えない限りは原則治療しない.二次予防としてスタチンを内服したうえでTGが高い場合,イコサペント酸エチルの投与を検討してもよい.心血管イベントリスクが高いと考えられる患者の第一選択はスタチンであり,フィブラート系薬との併用は行わない.
参考文献
1)日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版,2022 https://www.j-athero.org/jp/wp-content/uploads/publications/pdf/GL2022_s/jas_gl2022_220808.pdf(2022年10月閲覧)
2)日本動脈硬化学会:ACC/AHAガイドラインに対する日本動脈硬化学会の見解,2014 https://www.j-athero.org/jp/outline/guideline_comment/(2022年10月閲覧)
3)Christopher P, Cannon MD, et al:Ezetimibe added to statin therapy after acute coronary syndromes. N Engl J Med 372:2387-2397, 2015
4)Qiukui Hao, et al:PCSK9 inhibitors and ezetimibe for the reduction of cardiovascular events;A clinical practice guideline with risk-stratified recommendations. BMJ 377:e069066, 2022
5)急性膵炎診療ガイドライン2021改訂出版委員会(編):急性膵炎診療ガイドライン2021第5版,金原出版,2021 http://www.suizou.org/APCGL2010/APCGL2021.pdf(2022年11月閲覧)
6)Deepak L, et al:Cardiovascular risk reduction with icosapent ethyl for hypertriglyceridemia. N Engl J Med 380:11-22, 2019
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