icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina60巻3号

2023年03月発行

文献概要

特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る ディベート・セクション 10番勝負 潜因性脳梗塞患者における長時間心電図モニター検査

編者からのコメント

著者: 平野照之1

所属機関: 1杏林大学医学部脳卒中医学教室

ページ範囲:P.518 - P.518

文献購入ページに移動
 脳梗塞における心房細動の存在はきわめて重要である.臨床病型にかかわらず,さらに言えば脳梗塞の原因でなくとも,心房細動があれば再発予防に抗凝固療法が推奨される.現在の抗凝固療法は直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)が主流であり,患者に応じた最適な薬剤が選べる.DOACはワルファリンより安全性・有効性に優れるが,保険適用は心房細動(と深部静脈血栓症)に限られる.植込み型心臓モニター(ICM)の導入理由として「DOACを使用可能にするため」という説明は十分な納得を得られよう.さらに心房細動が確認できれば,左心耳閉鎖術や左心耳切除術,またアブレーションによるリズム是正療法といった治療選択肢も広がる.BNPや心房期外収縮が,将来の心房細動検出のバイオマーカーとなり得るという報告はあるが1),ここは「The longer, the higher」を支持したい.

参考文献

1)Miyazaki Y, et al:Atrial fibrillation after ischemic stroke detected by chest strap-style 7-day holter monitoring and the risk predictors;EDUCATE-ESUS. J Atheroscler Thromb 28:544-554, 2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?