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文献詳細

雑誌文献

medicina60巻3号

2023年03月発行

特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る

ディベート・セクション 10番勝負 脳梗塞の脂質管理

編者からのコメント

著者: 平野照之1

所属機関: 1杏林大学医学部脳卒中医学教室

ページ範囲:P.536 - P.536

文献概要

 編者は「The lower, the better」を支持する立場である.特にアテローム血栓性脳梗塞は全身血管病の1つであり,原因となった不安定プラークの安定化が,病状を安定させ増悪や再発を防ぐための鍵となる.虚血性心疾患における冠動脈プラーク退縮はLDLコレステロール(LDL-C)<70mg/dLを達成した場合に観察される1).同様にTST-PLUS研究においてLDL-Cの厳格管理群で頸動脈プラークに有意な退縮が認められている2).以前であれば70mg/dL未満は厳しい数値目標であったが,スタチンに加えエゼチミブやPCSK9阻害薬を使用することで達成できるようになった.一次予防ではLDL-C目標<100mg/dLも許容されるが,二次予防となれば<70mg/dLまで踏み込むべきであろう.

参考文献

1)Tsujita K, et al;PRECISE-IVUS Investigators:Impact of dual lipid-lowering strategy with ezetimibe and atorvastatin on coronary plaque regression in patients with percutaneous coronary intervention;The Multicenter Randomized Controlled PRECISE-IVUS Trial. J Am Coll Cardiol 66:495-507, 2015
2)Amarenco P, et al:Carotid atherosclerosis evolution when targeting a low-density lipoprotein cholesterol concentration <70 mg/dL after an ischemic stroke of atherosclerotic origin. Circulation 142:748-757, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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