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特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る ディベート・セクション 10番勝負 DOAC服用中に脳塞栓症を再発した心房細動患者に対する左心耳閉鎖術
編者からのコメント
著者: 平野照之1
所属機関: 1杏林大学医学部脳卒中医学教室
ページ範囲:P.545 - P.545
文献購入ページに移動 このディベートに結論を出すのは難しい.現在の適正使用指針では,出血の危険性が高い患者(HAS-BLEDスコア3以上,転倒に伴う複数の外傷歴,アミロイド血管症,長期の抗血小板薬2剤併用,大出血の既往)に対して検討する治療と位置付けられている.手技に伴う合併症と抗凝固療法の危険性とのバランスを患者ごとに判断することになるが,2019年のWATCHMAN®承認時からデバイス自体の改良(現在はWATCHMAN FLX®)も進み,安全性はきわめて高くなった.一方,全国どの施設でもこの治療が実施できるわけではなく,ブレイン・ハートチームの育成ならびに熟練した術者の養成が必要である.今後,各地で経験が積み重ねられるなかで,ConからProが優勢になっていくものと思われる.
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