文献詳細
特集 臨床医からみたPOCT
総論
文献概要
POCT(point of care testing)は近年臨床の現場でも認知度が高まり,トレンドとなっている.日本医療検査科学会の『POCTガイドライン第4版』では,「POCTとは,被検者の傍らで医療従事者(医師や看護師等)自らが行う簡便な検査である.医療従事者が検査の必要性を決定してからその結果によって行動するまでの時間の短縮および被検者が検査を身近に感ずるという利点を活かして,迅速かつ適切な診療・看護,疾病の予防,健康増進等に寄与し,ひいては医療の質,被検者のQOLおよび満足度の向上に資する検査である」と定義されている1).この定義によれば,POCTとは小型分析器や迅速診断キットを用いて医療現場で行うリアルタイム検査であり,病院の検査室あるいは外注センター以外の場所で実施されるすべての臨床検査のことを指す.
これは検査側からみたPOCTの定義であるが,臨床医側にはともすれば「ベッドサイドあるいは患者の傍らでできる迅速検査はすべてPOCT」のような簡便性・迅速性のみが強調された受け取られかたをされ,誤解とともに問題のある運用につながるおそれもある.
これは検査側からみたPOCTの定義であるが,臨床医側にはともすれば「ベッドサイドあるいは患者の傍らでできる迅速検査はすべてPOCT」のような簡便性・迅速性のみが強調された受け取られかたをされ,誤解とともに問題のある運用につながるおそれもある.
参考文献
1)POCTガイドライン第4版.日臨検自動化学会誌43(Suppl.1), 2018
2)上松東宏,岡田唯男:プライマリ・ケア診療におけるPoint-of-care超音波:国際比較に基づく現状と展望.日プライマリケア連会誌41:184-190, 2018
掲載誌情報