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文献詳細

雑誌文献

medicina60巻5号

2023年04月発行

文献概要

特集 臨床医からみたPOCT 日常診療とPOCT 〈実践〉

災害医療における超音波検査によるPOCTの実践—DVTハイリスク避難者に対する対応

著者: 高瀬信弥1

所属機関: 1福島県立医科大学心臓血管外科学講座

ページ範囲:P.748 - P.752

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Point
◎大規模災害において,二次的肺塞栓症は避難所に在所する下肢深部静脈血栓症(DVT)ハイリスク避難者に好発する.
◎その発生率は10〜30%と,被災状況,避難所環境により異なる.
◎災害におけるDVTスクリーニングの最大の目的は二次的肺塞栓症発症を予防することであり,避難所や被災地でのスクリーニングには,超音波検査が有用である.
◎避難環境により完全な下肢全体のスクリーニングは難しいため,見落としに注意が必要である.
◎血栓検出のみならず,DVT予防の啓蒙にも注力する.
◎被災者に寄り添いながら積極的なアプローチで活動を行う.

参考文献

1)Takase S, et al:Disasters and cardiovascular diseases triple disasters in Fukushima induced high incidence of deep vein thrombosis associated with shelter quality. Circulation 77(Suppl. I):73, 2013
2)高瀬信弥:特集:災害後の血栓症 東日本大震災における福島県内避難所におけるDVT予防啓蒙活動および発生状況からの考察.血栓止血誌33:639-647, 2022
3)Gianesini S, et al:Review on disasters and lower limb venous disease. Ann Vasc Dis 14:315-322, 2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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