medicina60巻7号

2023年06月発行

特集 整形外科プライマリ・ケア—内科医が知りたい整形外科疾患のすべて 主訴別編

肘が痛い

著者： 森澤妥¹

所属機関： ¹成増慶友整形外科リウマチ科

ページ範囲：P.1024 - P.1031

　「肘が痛い」という患者の訴えを聞いたときに見逃すと危険な徴候について記す．
●肘の変形（→骨折・脱臼を疑う→外傷の有無の聴取）
●小児で肘を痛がり，バンザイできない（→上腕骨顆上骨折，肘内障）
●肘の著明な腫脹（→外傷，感染などを疑う）
●肘の発赤，熱感（→蜂窩織炎，化膿性肘関節炎，痛風，偽痛風）
●手のしびれ（→肘部管症候群）
以上を確認し，必要な場合は画像検査，採血を行い，整形外科を紹介する．

参考文献

1）森澤　妥，他：上肢の循環障害，コンパートメント症候群（Volkmann拘縮を含む）．戸山芳昭，大谷俊郎（監），池上博泰，佐藤和毅（編）：整形外科専門医になるための診療スタンダード2　上肢，pp 56-60，羊土社，2011

2）有馬丈洋：化膿性肘関節炎の診かたは？．金城光代（編）：外来で診るリウマチ・膠原病Q＆A，pp 51-56，日本医事新報社，2016

3）平野史生：結晶誘発性関節炎（痛風・偽痛風）の診かたは？．金城光代（編）：外来で診るリウマチ・膠原病Q＆A，pp 57-63，日本医事新報社，2016

4）森澤　妥，他：難治性上腕骨内側上顆炎に対して病巣掻把に加えて尺骨神経の処置も併施した直視下手術の治療成績．日肘関節会誌28：150-152, 2021

5）西尾泰彦：変形性肩・肘関節症．日本リウマチ財団 教育研修委員会，日本リウマチ学会 生涯教育委員会（編）：リウマチ病学テキスト改訂第3版，pp 316-318，南江堂，2022