medicina60巻8号

2023年07月発行

特集 浮腫と脱水—Q＆Aで学ぶジェネラリストのための体液量異常診療 浮腫をきたす疾患の診断とそのマネジメント

甲状腺疾患による浮腫のメカニズムとマネジメント

著者： 富永隆史¹

所属機関： ¹糖尿病・甲状腺とみなが内科

ページ範囲：P.1253 - P.1256

Point
◎甲状腺機能の評価は，機械的な数値判断のみで行うことは難しい．可能な範囲で，甲状腺の器質的異常，背景，臨床経過，投薬状況などを確認し，総合的に判断することが望まれる．
◎甲状腺機能異常による浮腫は，non-pitting edemaだけでなく，pitting edemaも生じる．
◎甲状腺機能異常における細胞外液増加に対しては，機能正常化を目指しつつ，心拍出量の変化や，代償機構を考慮した管理が必要である．

参考文献

1）竹内元規：Nonthyroid illness. INTENSIVIST 7：604-613, 2015

2）Peeters RP：Subclinical hypothyroidism. N Engl J Med 376：2556-2565, 2017

3）Heymann WR：Cutaneous manifestations of thyroid disease. J Am Acad Dermatol 26：885-902, 1992

4）日本甲状腺学会（編）：日本甲状腺専門医ガイドブック．診断と治療社，2018

5）Klein I, et al：Thyroid hormone and the cardiovascular system. N Engl J Med 344：501-509, 2001

6）Klein I, et al：Thyroid disease and the heart. Circulation 116：1725-1735, 2007

7）Danzi S, et al：Thyroid hormone and the cardiovascular system. Minerva Endocrinol 29：139-150, 2004

8）日本甲状腺学会，日本内分泌学会：甲状腺クリーゼ診療ガイドライン2017，南江堂，2017

9）日本甲状腺学会 粘液水腫性昏睡の診断と治療指針の作成委員会：粘液水腫性昏睡の診断基準（三次案）．　https://www.japanthyroid.jp/doctor/img/shindan.pdf（2023年3月閲覧）