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文献詳細

雑誌文献

medicina60巻8号

2023年07月発行

文献概要

特集 浮腫と脱水—Q&Aで学ぶジェネラリストのための体液量異常診療 Column

体液量異常を診療するときに役立つ初心者のためのクリニカルパール

著者: 永瀬宏哉12 藤田芳郎12

所属機関: 1中部労災病院腎臓内科 2中部労災病院リウマチ膠原病科

ページ範囲:P.1318 - P.1321

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「体液量」と「細胞外液量」と「細胞内液量」などの「水・電解質」の用語を理解する
 「体液量」という用語は人を惑わせる用語である.“volume”の訳語が「体液量」に相当する.米国でも混乱を招いているようで“volume”=「体液量」は“extracellular fluid volume”〔=細胞外液量(ECFVと略される)〕と交換可能な用語として用いられる1)などとわざわざ注釈がつくことが多い.したがって有名なハルペリンの教科書では“volume”=「体液量」という用語はほとんど使わず「細胞外液量」と「細胞内液量」というより明確な用語を使用している2).体重の約60%が「水」であり,その水にはさまざまな溶質が溶けているので「水溶液」と言われ,体内の水溶液は「細胞外液分画」と「細胞内液分画」から成る.本稿に与えられた「体液量異常」とは「細胞外液量異常」にほかならない.

参考文献

1)Reisinger N, Berkoben M:Chapter 71. Volume disorders and assessment. Edgar Lerma(ed):Nephrology Secrets 4th edition, pp 487-500, Elsevier, Amsterdam, 2018
2)門川俊明(訳):ハルペリン—病態から考える電解質異常,pp 222,メディカル・サイエンス・インターナショナル,2018
3)Slotki IN, et al:Chapter 14. Disorders of sodium balance. Yu ASL(ed):Brenner and Rector's The Kidney, Eleventh Edition, pp 390-442, Elsevier, Amsterdam, 2020
4)Summary of Recommendation Statements. Kidney Int Suppl 2:8-12, 2012
5)Abuelo JG:Normotensive ischemic acute renal failure. N Engl J Med 357:797-805, 2007
6)柴垣有吾,他:臨床がわかる腎生理,pp 130-158,中外医学社,2018
7)Rose BD, Post T:Chapter 2. Renal circulation and glomerular filtration rate. Clinical Physiology of Acid-Base and Electrolyte Disorders 4th Edition, pp 27-32, McGraw Hill, New York, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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