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特集 その知見は臨床を変える?—エキスパートが解説! 内科における最新論文 循環器
高血圧診療における機械学習を用いた個別化戦略—高ベネフィット・アプローチ
著者: 井上浩輔1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科・白眉センター
ページ範囲:P.126 - P.130
文献購入ページに移動◎厳格な降圧治療が心血管イベントリスクを下げることは知られている一方で,その効果にばらつきがあるかについては十分わかっていない.
◎大規模ランダム化比較試験のデータに因果フォレストという機械学習モデルを応用することで,心血管疾患リスクの高い個人が必ずしも厳格な降圧管理による恩恵を受ける個人と同じではない,ということが明らかになった.
◎「高ベネフィット・アプローチ」は効果の高い集団にターゲットを絞って介入するアプローチであり,従来の「高リスク・アプローチ」と比較して5倍程度大きな効果を示した.
◎高ベネフィット・アプローチを用いて,リスクのみならずベネフィットに着目することで,本来治療・介入を受けるべき個人を最も効率的に選定することが可能となる.
◎高ベネフィット・アプローチは,生活習慣病・心血管疾患の予防による健康寿命の延伸のみならず,真の個別化医療に基づく効率的な医療資源の分配と健康格差の是正にも貢献する.
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