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文献詳細

雑誌文献

medicina61巻1号

2024年01月発行

文献概要

特集 その知見は臨床を変える?—エキスパートが解説! 内科における最新論文 循環器

高血圧診療における機械学習を用いた個別化戦略—高ベネフィット・アプローチ

著者: 井上浩輔1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科・白眉センター

ページ範囲:P.126 - P.130

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Point
◎厳格な降圧治療が心血管イベントリスクを下げることは知られている一方で,その効果にばらつきがあるかについては十分わかっていない.
◎大規模ランダム化比較試験のデータに因果フォレストという機械学習モデルを応用することで,心血管疾患リスクの高い個人が必ずしも厳格な降圧管理による恩恵を受ける個人と同じではない,ということが明らかになった.
◎「高ベネフィット・アプローチ」は効果の高い集団にターゲットを絞って介入するアプローチであり,従来の「高リスク・アプローチ」と比較して5倍程度大きな効果を示した.
◎高ベネフィット・アプローチを用いて,リスクのみならずベネフィットに着目することで,本来治療・介入を受けるべき個人を最も効率的に選定することが可能となる.
◎高ベネフィット・アプローチは,生活習慣病・心血管疾患の予防による健康寿命の延伸のみならず,真の個別化医療に基づく効率的な医療資源の分配と健康格差の是正にも貢献する.

参考文献

1)Inoue K, et al:Machine-learning-based high-benefit approach versus conventional high-risk approach in blood pressure management. Int J Epidemiol 52:1243-1256, 2023 PMID 37013846
2)Pearl J:Causality. Cambridge University Press, Cambridge, 2009
3)Hernán MA, Robins JM:Causal Inference;What If, CRC Press, Boca Raton, 2020
4)Athey S, Imbens G:Recursive partitioning for heterogeneous causal effects. PNAS 113:7353-7360, 2016 PMID 27382149
5)Wager S, Athey S:Estimation and inference of heterogeneous treatment effects using random forests. J Am Stat Assoc 113:1228-1242, 2018
6)SPRINT Research Group:A randomized trial of intensive versus standard blood-pressure control. N Engl J Med 373:2103-2116, 2015 PMID 26551272
7)Inoue K, et al:Association of intensive blood pressure control and living arrangement on cardiovascular outcomes by race;Post hoc analysis of SPRINT randomized clinical trial. JAMA Netw Open 5:e222037, 2022 PMID 35285922

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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