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文献詳細

雑誌文献

medicina61巻1号

2024年01月発行

連載 ERの片隅で・10

臨床診断学、臨床決断学

著者: 関根一朗1

所属機関: 1湘南鎌倉総合病院【湘南ER】

ページ範囲:P.166 - P.167

文献概要

 午後4時、日が落ちるのが早くなり、もう西の空は夕焼けの美しいグラデーションがかかっている。ER内で救急搬送を告げるアナウンスが流れた。「10分後、救急車入ります。90歳男性、体動困難。自宅内で動けなくなっているのを隣人に発見され救急要請。外傷なし、救急隊接触時発熱あり。」
 ストレッチャーで小柄な高齢男性が搬入された。研修医が初期対応を終えて、救急医関根のところに診療の方針を報告しに来た。「90歳男性、39℃の高熱があり、体動困難です。発熱以外には軽い咽頭痛があるだけで、バイタルサインは安定しています。」頷きながら聴いていた関根が尋ねた。「隣人が救急車を呼んでくれたらしいね。一人暮らしかな? どんな家に住んでいるのかな?」研修医が首を傾げながら答える。「家についてはわかりませんが、おそらく独居だと思います。とりあえず、熱源精査します。」

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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