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特集 内科医が知っておくべきICU・ERでの薬の使い方 その他
炭酸水素ナトリウム(メイロン®)の使いどころ
著者: 鈴木裕之1
所属機関: 1前橋赤十字病院高度救命救急センター集中治療科・救急科
ページ範囲:P.1738 - P.1740
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◎重篤なショックでは,動脈血ガスのpHが7.10未満の場合,代謝性アシドーシスの補正目的に炭酸水素ナトリウム(メイロン®)を投与するが,ショックの原因を突き止め根本治療を行うことが最も重要である.
◎急性腎障害(AKI)では,動脈血ガスのpHが7.20未満の場合,代謝性アシドーシスを補正し腎代替療法を先延ばしにする目的にメイロン® を投与する.
◎薬物中毒による心毒性では,不整脈や心電図異常がみられた場合,それらが改善するまでメイロン® を繰り返し投与し,動脈血ガスのpHを7.50〜7.55に維持する.
◎メイロン® の主な副作用には逆説的細胞内アシドーシス,細胞外液量の増加,高ナトリウム血症がある.
◎重篤なショックでは,動脈血ガスのpHが7.10未満の場合,代謝性アシドーシスの補正目的に炭酸水素ナトリウム(メイロン®)を投与するが,ショックの原因を突き止め根本治療を行うことが最も重要である.
◎急性腎障害(AKI)では,動脈血ガスのpHが7.20未満の場合,代謝性アシドーシスを補正し腎代替療法を先延ばしにする目的にメイロン® を投与する.
◎薬物中毒による心毒性では,不整脈や心電図異常がみられた場合,それらが改善するまでメイロン® を繰り返し投与し,動脈血ガスのpHを7.50〜7.55に維持する.
◎メイロン® の主な副作用には逆説的細胞内アシドーシス,細胞外液量の増加,高ナトリウム血症がある.
参考文献
1)Kraut JA, et al:Use of base in the treatment of severe acidemic states. Am J Kidney Dis 38:703-727, 2001 PMID 11576874
2)Jaber S, et al;BICAR-ICU Study Group:Sodium bicarbonate therapy for patients with severe metabolic acidaemia in the intensive care unit(BICAR-ICU);A multicentre, open-label, randomised controlled, phase 3 trial. Lancet 392:31-40, 2018 PMID 29910040
3)Bradberry SM, et al:Management of the cardiovascular complications of tricyclic antidepressant poisoning;Role of sodium bicarbonate. Toxicol Rev 24:195-204, 2005 PMID 16390221
4)Boyd JH, Walley KR:Is there a role for sodium bicarbonate in treating lactic acidosis from shock? Curr Opin Crit Care 14:379-383, 2008 PMID 18614899
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