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特集 どこでもみれる?—コモンディジーズとしての感染症アップデート 感染症新薬アップデートと感染症
2023年新見解に基づく肺MAC症治療とアミカシンリポソーム吸入用懸濁液
著者: 倉原優1
所属機関: 1国立病院機構近畿中央呼吸器センター臨床研究センター感染予防研究室
ページ範囲:P.480 - P.484
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◎近年,肺Mycobacterium avium complex(MAC)症が急増しており,今後プライマリ・ケアにおいて診療機会が増えると予想される.
◎2023年に肺非結核性抗酸菌(NTM)症の治療に関する新見解が日本結核・非結核性抗酸菌症学会から発出され,これに基づいて標準治療を適用すべきである.
◎排菌陰性化が得られにくい症例(難治例)にアミカシンリポソーム吸入用懸濁液は有効である.
◎アミカシンリポソーム吸入用懸濁液を処方すると高額療養費制度の支払い上限額に到達するため,事前に自己負担額がどの程度か患者と相談しながら用いる.
◎近年,肺
◎2023年に肺非結核性抗酸菌(NTM)症の治療に関する新見解が日本結核・非結核性抗酸菌症学会から発出され,これに基づいて標準治療を適用すべきである.
◎排菌陰性化が得られにくい症例(難治例)にアミカシンリポソーム吸入用懸濁液は有効である.
◎アミカシンリポソーム吸入用懸濁液を処方すると高額療養費制度の支払い上限額に到達するため,事前に自己負担額がどの程度か患者と相談しながら用いる.
参考文献
1)結核予防会(編):結核の統計2022,結核予防会事業部,2022
2)日本結核・非結核性抗酸菌症学会 非結核性抗酸菌症対策委員会,日本呼吸器学会 感染症・結核学術部会:成人肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解—2023年改訂—.結核98:177-187, 2023
complex isolates drug susceptibility testing by broth microdilution. Antibiotics(Basel)11:1756, 2022 PMID 36551413
complex(CONVERT). A prospective, open-label, randomized study. Am J Respir Crit Care Med 198:1559-1569, 2018 PMID 30216086
complex lung disease. ERJ Open Res 8:00623-2021, 2022 PMID 35821755
吸入液590 mg)に関する使用指針.結核97:29-30, 2022
ネブライザシステム取扱説明書.
8)倉原優,他:アミカシン硫酸塩吸入用製剤(販売名アリケイス吸入液590 mg)導入における医薬連携および調剤薬局へのアンケート調査.結核97:353-360, 2022
9)Insmed:Insmed Phase 3 ARISE Topline Results. ARISE Topline Data Presentation(2023年9月5日プレスリリース)
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