medicina61巻5号

2024年04月発行

連載 明日から主治医！　外国人診療のススメ・13

外国人労働者と整形外科疾患

著者： 冨田茂¹

所属機関： ¹高田馬場さくらクリニック

ページ範囲：P.784 - P.789

CASE
研修医（大樹）と指導医（朋子）が救急外来で…
大樹）先生，ベトナムから技能実習で来ているグエンさん（20歳）ですが，足を骨折しています．
朋子）これは手術が必要ね．仕事中の怪我なの？
大樹）それが，「建築現場の仕事で危険区域に自分の不注意で入ってしまって怪我をしたのだから，労災は使わない」と言っています．お金のことを心配して帰りたいと…．
朋子）それ，確実に労災．外国人にはわかりにくいから，厚生労働省の外国人労働者向け労災保険給付パンフレット^1）を渡して読んでおいてもらってね．あなたも読んでおくのよ．整形外科に連絡してね．医療相談室のソーシャルワーカーにも話をしておこう．

参考文献

1）厚生労働省：外国人労働者向け労災保険給付パンフレット　https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/gaikoku-pamphlet.html（2024年2月閲覧）

2）厚生労働省：「外国人雇用状況」の届出状況まとめ（平成25年10月末現在）．2014　https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000036114.html（2024年2月閲覧）

3）厚生労働省：「外国人雇用状況」の届出状況まとめ（令和元年10月末現在）．2020　https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09109.html（2024年2月閲覧）

4）厚生労働省：「外国人雇用状況」の届出状況まとめ（令和5年10月末時点）．2024　https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37084.html（2024年2月閲覧）

5）法務省入国管理局．本邦における不法残留者数について（令和5年7月1日現在）．2023　https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00037.html（2024年2月閲覧）

6）Tomita S, et al：Health and occupational safety problems of Burmese migrant workers in Japan；Poor utilization of health care service and workers' accident compensation system. The 21st International Union for Health Promotion and Education（IUHPE）World Conference on Health Promotion, 2013

7）Migrant Health Working Group（MHWG）Viet Nam：日本で働くベトナム人のためのハンドブック．2022　https://japan.iom.int/sites/g/files/tmzbdl2136/files/documents/FINAl_Hanbook-for-Vietnamese-migrant-workers-in-Japan_9-December_0.pdf（2024年2月閲覧）

8）山田秀臣：外国人の労働災害の近年の傾向について．日渡航医会誌17：54-60, 2023

9）厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課：外国人労働者の労働災害の現状と対策．産業保健21 29：2-4, 2023　https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/sanpo21/pdf/114_p2-11.pdf（2024年2月閲覧）

10）国際人材協力機構（JITCO）実習支援部：現場における外国人労働者の安全確保のための工夫と教育．安全と健康74：542-546, 2023

11）石丸知宏，他：留学生アルバイトの現状と労働災害との関連に関する疫学研究．産業医大誌44：128, 2022

12）出入国在留管理庁：【在留外国人統計（旧登録外国人統計）統計表】　https://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_touroku.html（2024年2月閲覧）

13）岡崎　亮，他：ビタミンD不足・欠乏の判定指針．日内分泌会誌93：1-10, 2017

14）津川尚子：日本人のビタミンD不足・欠乏の実態 骨および種々の疾患リスクとの関連．化と生59：622-629, 2021

15）Sherchand O, et al：Epidemiology and determinants of vitamin D deficiency in eastern Nepal；A community-based, cross-sectional study. Int J Endocrinol 2022：1063163, 2022 PMID 36118616