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文献詳細

雑誌文献

medicina61巻7号

2024年06月発行

文献概要

特集 この1冊でもう安心!—内科医が押さえておきたい「しびれ・ふるえ・めまい」の診かた Column

小脳梗塞は要注意

著者: 岩崎靖1

所属機関: 1愛知医科大学加齢医科学研究所

ページ範囲:P.1105 - P.1105

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 めまいを訴える患者において,小脳梗塞が見逃されることは稀ではない.教科書的には病変と同側の失調を呈するが,失調が明らかでない症例も多い.小脳梗塞ではRomberg徴候が陰性であること,脳神経症状を認めないことも理解しておく必要がある.小脳出血であれば頭部CTで容易に診断可能であるが,梗塞病変は急性期にはCTでは異常を認めない.急性期に診断するためにはMRIが必要であるが,すべての施設でMRIを常に撮影できるわけではない.筆者も,「頭部CTで異常はなく,脳神経症状や失調を認めないので末梢性めまいだろう」と診断し,耳鼻咽喉科に紹介した症例が後日のCT再検やMRIで小脳梗塞が判明して冷や汗をかいた経験は恥ずかしながら何度もある.このような症例を経験すると,急性期のめまいの診断には,神経学的所見を認めなくてもMRIは必須であると感じる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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