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文献詳細

雑誌文献

medicina61巻8号

2024年07月発行

文献概要

特集 “とりあえずスタチン”から脱却!—動脈硬化性疾患一次予防・最新の考え方 トピックス

小児期からの動脈硬化性疾患予防のための知見—小児の家族性高コレステロール血症(FH)のスクリーニングと診断・治療

著者: 原光彦1

所属機関: 1和洋女子大学家政学部健康栄養学科

ページ範囲:P.1305 - P.1309

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Point
◎小児期からの動脈硬化予防の対象疾患として,家族性高コレステロール血症(FH)は最も重要である.
◎FHは,LDLコレステロール(LDL-C)受容体およびその関連遺伝子変異に伴う遺伝性疾患で,遺伝性代謝性疾患のなかで最も高頻度である.
◎小児FHは症状に乏しいため,血液検査で偶然に発見される場合が多い.
◎小児FHの診断や治療は,『小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022』を参照して,「疑い例」も含めてフォローする.
◎小児FHに対し,食事・運動・生活指導を行うが,効果がなければ,10歳を目安に薬物療法も考慮する.第一選択薬はスタチンである.
◎小児FHホモ接合体には,多剤併用療法を含む薬物療法を行うが,効果が不十分なら躊躇せずLDLアフェレシスを開始する.

参考文献

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4)宮崎あゆみ,他:小児生活習慣病予防健診に関する全国実態調査.日小児科医会報62:222-229, 2021
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6)日本小児科学会,日本動脈硬化学会:小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022,2022 https://www.j-athero.org/jp/wp-content/uploads/publications/pdf/FH_G_P2022.pdf(2024年3月閲覧)
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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