カラーグラフ
結腸ファイバースコープ
著者:
吉田豊1
田島強1
前田栄昭1
所属機関:
1弘大・内科
ページ範囲:P.1414 - P.1418
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深部大腸粘膜の非観血的な観察は,1957年に松永教授らにより考案試作されたSigmoido cameraによりはじめて可能になった.しかしながら,このcameraは長い腸管へ盲目的に挿入し,盲目撮影をおこなうために高度の技術を必要とし,S状結腸を超えて深部に挿入される率も低く,満足できるものではなかった.そこでこれらの欠点を解決すべく,glass fiberを大腸内視鏡へ応用しようとして,数年前からオリンパス光学工業と協同で研究してきた.1968年にはほぼ満足できる性能を有するfiberscopeを試作し,その後さらに改良を加えて盲腸までの挿入観察が可能な新しい器械の開発に成功した.Colonofiberscopeと命名したこの器械は,操作が簡単で深部挿入が容易であり,鮮明な映像が得られ,さらに直視下で任意の場所から生検可能であるという画期的性能を有している.臨床使用経験例もすでに250例を超え,その成績は非常に良好であり,大腸疾患の診断には欠かせない検査法の1つになっている.