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EDITORIAL
癌の薬と臨床の倫理
著者: 砂原茂一1
所属機関: 1国立療養所東京病院
ページ範囲:P.1421 - P.1421
文献購入ページに移動 さきごろ癌免疫療法のための臨床実験が問題になったがアメリカにも同じような例があった.1963年Sloan KetteringのSouthanらがP. H. SとAmerican Cancer Societyの援助の下に22人の患者に他人の癌細胞を皮下接種したのである.これは裁判沙汰(ただし無罪)にもなり免許取消にも発展したし,Beecherの集めた50の非倫理的臨床研究の中にも数えいれられている.
癌の治療は今日の医学研究者の野心であるばかりでなく全社会の熱望でもあるから,新しい試みが挫折することなくつづけられねばならぬ.ところで抗癌薬の前臨床スクリーニングについては一応標準化した手続きが存在するが,臨床評価-「薬中心」の研究を「人間中心」の研究に転換する場面には,なお問題が多いように思われる.
癌の治療は今日の医学研究者の野心であるばかりでなく全社会の熱望でもあるから,新しい試みが挫折することなくつづけられねばならぬ.ところで抗癌薬の前臨床スクリーニングについては一応標準化した手続きが存在するが,臨床評価-「薬中心」の研究を「人間中心」の研究に転換する場面には,なお問題が多いように思われる.
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