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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻10号

1970年09月発行

文献概要

診断のポイント

血清糖蛋白の臨床的意義

著者: 堺隆弘1

所属機関: 1東大第1内科

ページ範囲:P.1441 - P.1443

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糖蛋白とは
 蛋白と糖の複合体はその生理的な役割が多方面におよび,糖蛋白,ムチン,酸性ムコ多糖の名で呼ばれている.酸性ムコ多糖は結合織の基質として組織中に広く分布している.ムチンは腺から分泌される粘液物質,すなわち唾液腺ムチン,胃ムチン,卵巣嚢腫ムチンなどがある.
 血清中の糖蛋白はこれらの組織中のムコ多糖,ムチンが糖部分を主とするのとはやや異なり,蛋白を主とし,蛋白の物理化学上の性質を形成する糖部分が蛋白のアミノ酸の側鎖にひげ状に付着している.現在α1酸性糖蛋白(オロソムコイド),トランスフェリン,フィブリノーゲン,免疫グロブリンを初めとして数多くの蛋白が糖蛋白として分離されている.これらの糖と蛋白の比は種類により大幅に異なっている.糖は主として,ガラクトース,マンノースなどの六炭糖(ヘキノース),ガラクトサミン,グルコサミンなどの六炭糖アミン(ヘキソサミン),および糖末端部分としてシアル酸を含んでいる.免疫グロブリンを除いて,主として肝で蛋白が合成され,糖部分がその蛋白と結合する.血清中の糖蛋白が癌あるいは炎症組織中の糖蛋白の反映であるかは今後さらに検討されなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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