icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina7巻10号

1970年09月発行

文献概要

病理夜話

真菌症

著者: 金子仁12

所属機関: 1国立東京第一病院病理 2日医大

ページ範囲:P.1468 - P.1468

文献購入ページに移動
 抗生物質が使用され始めふえた疾患に真菌症がある.
 要するにカビなのだが,種類として多いのがカンジダ,アスペルギールス,クリプトコッカスである.抗生物質を多量に使用すると菌交代現象が起こって,人体の中で猛然と勢いを増すようになるのである.—それは34歳のまだ若い新聞記者である.以前から肺結核があり,ストマイ,パス,アイナーの3者併用療法を強力に行なっていた.ところがある日,「黒装束の男が枕もとにズラリと並んでいる」といいだした.ようすがおかしいので精神科へつれて行き,入院ということになった.この男は大酒のみで1晩にウイスキー1ビンを軽くあけてしまう.アルコール中毒の疑いもあったのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?