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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻10号

1970年09月発行

文献概要

内科専門医のための診断学・9

高血圧の鑑別診断—主に拡張期性高血圧の鑑別について

著者: 尾前照雄1

所属機関: 1九大第2内科

ページ範囲:P.1479 - P.1482

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まず病因診断,そして心血管系の状態を知る
 高血圧(動脈血圧の上昇)は1つの症状であって,厳密にいえば疾病の単位ではない出高血圧に伴う症状としては,頭痛と心悸亢進などがあるが,格別の愁訴を伴わないことが少なくないので,血圧を測定しなければその存在に気づかぬことが多い.また動脈血圧は,心拍出量,循環血液量,末梢血管抵抗,血液粘稠度によって規定され,そのいずれかが増加するときは上昇し,減少するときは低下する.
 これらは神経性因子,体液性因子,腎性因子,あるいは心血管系の先天的あるいは後天的異常によって左右されるので,高血圧の診断にあたっては,その原因がどこにあるか,またそれがいかなる疾病によって起こっているかを判断しなければならない.心拍出量と循環血液量の増減は拡張期血圧よりも収縮期1血圧に対する影響が大きく,末梢血管抵抗の増加は拡張期血圧を上昇させる.したがって病因論の立場でいえば,それ自体は疾病ではなく,1つの病態をあらわすと考えるほうが正しい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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