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臨床メモ
無症候性蛋白尿
著者: 中田不二男1
所属機関: 1東京船員保険病院第2内科
ページ範囲:P.1575 - P.1575
文献購入ページに移動健診で蛋白尿を発見した場合は必ずもう一度検尿をくり返してみる.生理的な一過性の蛋白尿や無害の起立性蛋白尿を除外するためである.持続的な蛋白尿が確実であれば,さらにくわしい腎機能検査を行なう.こうして健診で発見される無症候性蛋白尿を呈する疾患の中で,最も重要なものはいわゆる原発性の慢性糸球体腎炎である.ある患者は健診時に蛋白尿を発見したことに端を発して慢性腎炎として入院,約1年の経過で死に至った.剖検によって亜慢性糸球体腎炎であることを確かめた.慢性糸球体腎炎は元来自覚症状が非常に少ないので,こうした偶然の機会に発見されることが多く,それを考えると「検尿すること」の意義を痛感する.またこの場合,尿蛋白はペーパーテストで簡単に行なえるが,少しめんどうでも尿沈渣をみることが重要であり,私自身もそれを励行している.
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