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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻12号

1970年11月発行

文献概要

診断のポイント

マイコプラスマ肺炎

著者: 原耕平1

所属機関: 1長崎大第2内科

ページ範囲:P.1687 - P.1690

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マイコプラスマとは
 マイコプラスマ肺炎の,「マイコプラスマ」という言葉をはじめてお聞きのかたも多かろう.従来,原発性異型肺炎の病原体とされたEaton agentが,1898年Nocardらの分類したマイコプラスマ属の1つに属することがその後の研究によってわかり,この病原体(My. pneumoniae)によって惹起される肺炎が,「マイコプラスマ肺炎」と呼称されるようになったのである.
 もちろん,人間から分離されるマイコプラスマには,現在6つのものが知られている(My. pneumoniae,orale,salivarium,hominis,fermentans,T-strain).口腔内から分離されるものは前3者が多く,その中でも病原性を有して,肺炎をはじめ気管支炎,感冒様症状を惹起せしめるのはMy. pneumoniaeのみとされていて,その他のマイコプラスマ(orale,salivarium)については病原性はないとする意見のものが多い.My. hominis,fermentansおよびT-strainは,主として泌尿器系の病変をおこす.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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