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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻13号

1970年12月発行

文献概要

日常検査とその限界

CRPと赤沈値

著者: 河野均也1

所属機関: 1日大臨床病理

ページ範囲:P.1764 - P.1765

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CRP(C-反応性蛋白)
 1.CRPの一般的意義
 肺炎球菌より抽出されたC-多糖体を肺炎患者血清に混和すると沈降反応がおこることを発見したTillet & Francisの報告以来,CRPの臨床検査のうえに占める重要性は,本反応が肺炎患者のみでなく,非常に広範囲な炎症性疾患(たとえば諸種急性感染症,リウマチ性疾患など)や組織崩壊性疾患(たとえば,心筋硬塞,悪性腫瘍など),外科手術後,分娩などで陽性を示すことが知られ,疾患の活動状態,重症度,治療効果の判定という観点から,臨床的に高く評価されている.すなわち,CRPは正常人血漿中には証明されない蛋白であり,炎症性疾患や組織崩壊性疾患に際してすみやかに出現する急性相反応物質(acute phase reactants)の1つとして,電気泳動的に証明されるα-グロブリン分画の高値とともに,疾患の活動状態を知る検査法として重要な意義がある.
 さらに,このCRPはα-グロブリン分画の増減や,赤沈値の変動に比し,異常値の出現および正常値への復帰がすみやかであること,および検査法自体が比較的手軽に行なえるものであることなどから,疾患の鑑別診断,経過観察および治療効果の判定に有利な手段として賞用されている.しかしながらCRPはある特定の疾患に特異的な反応ではなく,赤沈値とともに,病態を把握するためのスクリーニングテストとして有用なものといえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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