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臨床家の生理学
寒さに対する人体の適応
著者: 伊藤真次1
所属機関: 1北大生理学
ページ範囲:P.1852 - P.1856
文献購入ページに移動 われわれの体温は常にほぼ37℃に保たれているが,わが国の冬の外気温は最低-40℃にもなるから,体温との差が実に80℃に近いわけである.この酷しい寒さに耐えるため,まず何より必要なことは,からだの中心部にある重要臓器の温度が変わらないようにすることである.体温は産熱と放熱のバランスで決まるから,寒い環境で体温の下降を防ぐため必要なことは,ひとつは代謝による熱の産生を増加することであり,いまひとつは外界とからだとの間で熱の絶縁を増して,体熱の放散をできるだけ少なくすることである.
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