icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina7巻2号

1970年02月発行

文献概要

メディチーナ・ジャーナル=厚生省

待たれる両眼視機能障害対策

著者: 木村亮太郎1

所属機関: 1厚生省医務局医事課

ページ範囲:P.131 - P.131

文献購入ページに移動
両眼視機能障害をめぐる諸問題
 年々増加する交通事故の発生原因のなかで,一時世間を騒がせた欠陥車のごとき,車体構造上の問題はべつとして,操縦者の身体条件の面からは,近年,注目をひきつつあるものに,斜視などによる両眼視機能障害がある.物を左右双方の眼で確認することにより,その距離感・立体感を認識する能力を両眼視機能とよぶが,これに障害のある場合には,たとえば,ハイウエーにおける高速運転,ことに追い越しなどには,不確実な目測による判断の誤りから非常な危険を伴う.また,混雑した狭い道の通り抜けに際しては,接触や人身事故につながる可能性が高いことも当然である.また一方,歩行者の側からも,両眼視機能に障害のある者,ことに幼児では,接近する車の目測を誤って,はねられる危険性が大きい.そのほか,航空機の着陸時,錯綜する海峡での操舵など,こと交通に関しては,両眼視機能に障害のある場合には大事に至るおそれのある場合が多い.
 事故との関連のみならず,スポーツ,ことに球技では,簡単なフライを落としたり,選球眼の悪さから,から振りの率も高く,跳躍では,踏みきりに失敗してファウルをくり返しやすい.さらに,幼児の場合には,階段の昇降が稚拙で踏みはずしたり,ちょっとした物にもつまづいて,"けが"をしやすい傾向にあることは否めない事実である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら