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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻2号

1970年02月発行

カラーグラフ

Letterer-Siwe病の皮膚症状

著者: 西村昂三1

所属機関: 1聖路加国際病院小児科

ページ範囲:P.152 - P.153

文献概要

 Letterer-Siwe病はReticuloendotheliosisあるいはHistyocytosis syndromesといわれる疾患群(Eosinophilic granuloma,Hand-Schüller-Christian病,Letterer-Siwe病)の中でもっとも激症型として知られている.
 本症の主要症状は,異常に増殖したHistiocyteの各種臓器への浸潤の結果惹起されるもので,皮膚症状ももちろん例外ではない.本症の皮疹は湿疹や乾癬などとまちがえられることがあるが,本症を何例か経験しておれば鑑別はそう困難ではなく,しばしば診断の有力な手がかりとなる.この皮疹としては通常,痂皮・落屑・水疱・出血などを伴った直径1-3mmくらいの茶褐色の小丘疹が躯幹・前頭・顔面などに散在することが多いが,前頭・前額部に脂漏性湿疹様の皮疹をみたり,またそけい部や腋下などの皮膚の接触部ではしばしば間擦疹ができ湿潤びらん面がみられたり,肛門周囲や女児の外陰部がただれたりする.なお粘膜症状としては歯の肥大,腫脹,壊死,潰瘍形成などがしばしばみられ,ときには歯が脱落することがある.これらの皮疹の生検やタッチ標本あるいは歯齦浸潤部の擦過標本をつくると,Histiocyteの集落が容易に証明される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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