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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻2号

1970年02月発行

文献概要

診断のポイント

複視

著者: 祖父江逸郎1

所属機関: 1名大第1内科

ページ範囲:P.183 - P.184

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複視の内容をはっきりさせる
 複視というのは,1つのものがはっきりと2つに見えるということで,症状としては単純・明確であるにもかかわらず,実際の臨床ではあんがい不明瞭なことが多く,患者の訴えが果たして複視であるかどうか,つかみにくいこともかなりある.輪郭のぼけや,ぼんやり見えることと混同して訴えることがあり,また物が揺れてみえることを複視として訴えていることもある.
 それらの内容をはっきり区別することが必要であるが,いずれにしても主観的なことであり,その辺の明確さに欠けることがあるため,必要に応じては具体的な例をとりあげ,その内容をとらえることもたいせつである.尿をするとき,便器が2つに見えて,どちらに排尿してよいか困り,ときには失敗したことがあると訴えた患者を経験したが,こうした事例からは,はっきりとした複視の実態がつかみうる.また物をとろうとするとき,その物が2つに見え,どちらが実体であるかわからず困る,物が2つに見えて歩行が困難,複視のためめまいがするなどの訴えも有用であり,このような具体例をとりあげて内容をはっきりさせておくべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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