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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻2号

1970年02月発行

文献概要

病理夜話

著者: 金子仁1

所属機関: 1国立東京第1病院病理

ページ範囲:P.208 - P.208

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 2年まえのちょうど秋ごろのことである.
 京都の若い外科医が右腕に腫瘍ができた.何だろうと思って某病院に行きプローベを採り病理で調べた.これは肉腫である.早く腕を切断するようにといわれた.自分の右腕を切断する?これはたいへんなことである.幼い子供のいるその外科医は,みずから病理検査室へ行き,直接話を聞いた.転移が起こらぬうちに早く切断したほうがよい.さもないと1年以内に死亡するという.しかしその中でも,この程度の肉腫ならだいじょうぶではなかろうかという病理医もいる.思いあぐねてその病理の標本を持って東京の病院へ行き,診察を乞うた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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