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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻3号

1970年03月発行

臨床メモ

作られた‘小児の湿疹’

著者: 松島富之助1

所属機関: 1愛育病院保健指導部小児科

ページ範囲:P.300 - P.300

文献概要

 小児科や皮膚科の医師にとって,小児の湿疹ほどその数の多いことと治りにくいことの2つの点から,最も大きな関心をもたざるをえない疾患はない.しかもこの湿疹は体質の遺伝が濃厚にみられ,父母にも同様の体質異常をもつものが多いうえに,文明がすすむにつれて湿疹はふえる傾向にあるという.Washington大学小児科のHolt教授によれば,アメリカで生まれた小児はアフリカの小児の数倍の湿疹をもっていて,また低開発地域の小児が文化のすすんだ地域に移ると,湿疹がふえていると述べている.
 その原因として推定されるのは,栄養がよくなると湿疹はふえること—このことは,かぜや消化不良にかかると湿疹が一時的によくなる点からも,またふとった乳児に多いことからも知られるが—も一因であるが,さらに育児指導の面から「あたためすぎ」が大きな因子をなしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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