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症例
Hurler Syndrome(Gargoylism)の成人例
著者: 玉木敏正1 小沢永憲2
所属機関: 1同愛記念病院内科 2同愛記念病院放射線科
ページ範囲:P.339 - P.344
文献購入ページに移動Hurler Syndromeは特有な顔貌,骨格系の形成不全,角膜混濁,肝脾腫,精神発育遅延を主症状とし,難聴,臍ヘルニア,鉤状手.皮膚粗造.短頸,剛毛,心臓・血管系の異常などを副症状とする疾患で,1917年Hunter1)によりはじめて骨形成不全について記載され.1919年Hurler2)は多発性骨変形,精神薄弱.角膜混濁を有する2症例を報告しDysostosis multiplexと称し.ついで1920年Pfandler3)が本症について報告記載した.1936年Ellis4)らは奇怪な顔貌よりしてGargoylismという名称でよび,1948年Washington5)はリポイド代謝障害によるものとして脂肪軟骨異栄養症(Lipochondro dysostosis)とよび.その他多くの名称で小児科・整形外科・眼科・精神科・病理学などの種々の領域において研究されている劣性遺伝によるものであるが,最近10年間の生化学的研究の進展に伴い,尿中および組織内に多糖類が証明され,本症が結合組織の糖代謝異常にもとづくものであることが明らかにされた.
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