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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻3号

1970年03月発行

文献概要

筋電図のよみ方・最終回

誘発筋電図,trick motion

著者: 土肥一郎1

所属機関: 1中央鉄道病院内科

ページ範囲:P.350 - P.353

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神経生理学的覚えがき
 神経線維を伝わるインパルスについては,直接に線維上においた電極から増幅器に導くならば,活動電位としてのスパイクを記録することができる.しかし,このような記録は人体で日常行なうのは容易でないので,このインパルスが筋肉へ伝えられてからの現われとしての筋電図が臨床家に利用されているわけである.したがって筋電図に関してすこし立ち入った考察を試みようとするなら,神経生理学に関する比較的巨視的なシェーマを頭に入れておくことが必要である.またこのことは,次項に述べる誘発筋電図の理解にも欠くことができない基礎事項である.
 神経生理学は,心臓の興奮伝導の生理学と似た原理によって思考過程を組み立てることができる.正常インパルスの発生と伝導,異常インパルスの発生,2つまたはそれ以上のインパルスの相互干渉などの少数の原理に還元することが可能なわけである.ただし神経の場合は心臓の刺激伝導系め場合よりも,からみ合う要素が複雑であって,後者が1次元(直線上の現象)とするなら前者は3次元(空間内の現象)とすることができるほどである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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