icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina7巻4号

1970年04月発行

文献概要

症例 全身性疾患と心臓・3

肝疾患と心臓

著者: 塘二郎1 鷹津正2

所属機関: 1阪医大第3内科 2阪医大内科

ページ範囲:P.457 - P.460

文献購入ページに移動
 肝臓が蛋白代謝の中心になっていることは古くから知られていることで,肝疾患,ことに肝硬変,慢性肝炎においては血清蛋白の異常をきたす.1950年Wuhrmann1)は血清蛋白の異常に基因する心筋変性に対してMyokar-doseなる概念を提唱し,特に血清蛋白の異常をきたす多くの疾患の中で肝疾患を冒頭において述べている.しかし,心筋代謝に関する研究は現在酵素レベルでの検討がさかんに行なわれているのが現況であり,これらによっても未だ不明な点が多い.したがってWuhrmannのいうごとく心筋変性が血清蛋白の異常により生じるという事実は誤りではないにしても,これをもって一元的に解釈しえるものではないと考えられる.このような立場から肝疾患と心臓との関連をわれわれの症例も加えて今一度検討したいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?