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臨時増刊特集 日常役立つ診療技術 診断篇 I.目的に応じた採血法
1.採血上とくに注意を要する検査
著者: 河合忠1
所属機関: 1日大臨床病理
ページ範囲:P.633 - P.637
文献購入ページに移動 臨床検査に用いられる検査材料のうちもっとも頻繁に使われるのはなんといっても血液である.血液には動脈血,毛細血管血と静脈血があり,検査によっては成績が著しく異なるものもある.また,検査に用いられる血液といっても,検査項目によって全血が必要なもの,血漿が必要なもの,血清が必要なもの,血球成分が必要なもの,などがある.さらに血液凝固を防ぐために加える抗凝固剤についても検査項目によっては特定の抗凝固剤に限って用いられる.このように「血液の検査」を行なう場合には目的に応じた採血法が必要である.したがって,検査を依頼する場合には,それぞれの検査項目について適切な採血条件をよく知っておいてから行なわなければならない.さもないと貴重な患者の血液をむだにするばかりでなく,検査のための適切なタイミングを失うことになろう.
すべての生物学的試料に共通なことであるが,血液についても同様に,生体外にとり出されるときわめて不安定であって刻々と変性してゆくものである.採血後長い間放置すると,値が著しく増減し生体内の状態を推定しえない.したがって,原則として採血後できるだけすみやかに検査を終えることが望ましい.
すべての生物学的試料に共通なことであるが,血液についても同様に,生体外にとり出されるときわめて不安定であって刻々と変性してゆくものである.採血後長い間放置すると,値が著しく増減し生体内の状態を推定しえない.したがって,原則として採血後できるだけすみやかに検査を終えることが望ましい.
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