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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻6号

1970年05月発行

文献概要

臨時増刊特集 日常役立つ診療技術 診断篇 II.消化器系疾患の診断技術

6.経皮経肝胆道造影法

著者: 大藤正雄1

所属機関: 1千大第1内科

ページ範囲:P.674 - P.678

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 黄疸など肝障害があって普通の造影法によるX線診断が不可能の場合に,胆道病変を明瞭に造影し診断することを目的として経皮的胆道造影が行なわれる.この方法は細く長い針を使用して体表から直接に肝内胆管あるいは胆のうを穿刺し,造影剤を注入して造影するものである.なお腹腔鏡の観察下で穿刺するなどの特殊の場合をのぞいて,穿刺針が体壁から肝実質を経由して胆管あるいは胆のうに刺入されるので経皮経肝胆道造影法ともよばれる.
 本法には1921年Bruckhardt, Müllerが行なった胆のうを穿刺する方式(胆のう穿刺法)と,1937年Huard, Do-Xuan-Hopが行なった胆内胆管を穿刺する方式(胆管穿刺法)とがあり,両者ともその後幾多の工夫・改善を経て今日に至っている.胆管穿刺法は,胆のう穿刺法と比較して,造影効果が胆のう萎縮,胆のう管閉塞,胆のう摘出など胆のう病変によって左右されず肝胆管などの上位胆管病変の際にも診断が可能であることなどの優れた診断的長所を有する.そのうえ胆管穿刺法は胆汁漏出,出血などの合併症も少ないことから現在では広く胆道外科の分野で応用されている方式であり,最近ではX線テレビの応用によりいっそう確実で安全な手技が可能となり,これまでのように外科手術を前提とすることなく内科的にも実施されるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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