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特発性食道破裂—American Surgeon, April 1969
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ページ範囲:P.784 - P.784
文献購入ページに移動鑑別診断の困難なことがままある.病初においては,病歴と臨床所見の両者からいって,食道の自然破裂は,急性膵炎に酷似する.お酒の飲みすぎと嘔吐が,両疾患にしばしば先行するからである.血清アミラーゼが正常なら,膵炎を除外してよい.穿孔性消化性潰瘍と間違うことなきにしもあらずである.鑑別診断に役立つのは,食道破裂では猛烈な痛みが漸次増すとともに,上腹部の硬さが減少するが,これに反して穿孔性の消化性潰瘍では一般にその逆が真だという点である.心筋硬塞は,心電図が正常で心疾患の病歴がなければ,除外してよい.解離性大動脈瘤の痛みは,強さの点でも,裂くような痛みの点でも,食道破裂のそれによく似ているが,穿孔すれば,漸次消退するのに反し,食道破裂の痛みは徐々に激しさを増すのである.
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