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文献詳細

雑誌文献

medicina7巻6号

1970年05月発行

文献概要

臨時増刊特集 日常役立つ診療技術 診断篇 XI.代謝系疾患の診断技術

1.先天性代謝異常症のスクリーニングテスト

著者: 大浦敏明1 一色玄2

所属機関: 1大阪市立小児保健センター第1内科 2大阪市立小児保健センター内科

ページ範囲:P.817 - P.821

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 先天性代謝異常症のスクリーニングテストの究極的な目的は,早期発見・早期治療によって,その発症を予防することにある.このためには,すでに外見的に異常を呈しているもののみならず,外見的には異常を認めない多数の乳幼児についての集団検査が必要である.したがって,その検査は,一時に多量の検体を処理しうる簡便な検査が必要であり,しかも治療もしくは予防可能なものが優先されることになる.われわれは,Berryらの呈色反応を主体としたもの,GuthrieらのInhibition assay,尿・血液の一次元濾紙クロマトグラフィーなどを組み合わせて種々の代謝異常症のスクリーニングを行なっている.
 もとよりこれらの方法は,多岐にわたるこの種疾患の一部のものに対するきわめて荒いふるい分けであって,その結果のみでは先天性代謝異常症の有無を結論づけられないものが多い.またこれらは主として定性反応であって,術者の主観や習熟によって大きく影響されるものである.もし,これらの検査結果が陽性に出れば,さらに2次スクリーニングによって確定診断に到達する必要がある.また脂質代謝異常症に対しては適切なスクリーニング法がなく,もっぱら臨床所見に依存している現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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