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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻1号

1971年01月発行

Leading Article

臨床家のめざすところ—肝硬変の分類から

著者: 高橋忠雄1

所属機関: 1慈恵医大内科

ページ範囲:P.4 - P.5

文献概要

 1956年の1月26日,CubaのLa Habanaで行なわれた第5回汎米消化器病学会での"肝硬変の分類および命名の協議会"がSherlockを委員長として開かれた.その席上での決定事項はGastroenterology, Vol. 31, No. 2のP. 213-216に載録されている.ここでは形態学的,原因論的および機能的の観点からの,肝硬変の分類について討議されたのであるが,どういう理由からか,このうちの形態学的分類としてのportal, postnecroticおよびbiliaryという分け方だけがクローズアップして受け取られたようである.
 ことにわが国の肝臓学者は,これに刺激されたところが大きく,その2,3年後の日本肝臓学会(当時はまだ国際肝臓研究会日本支部の名でよばれていた)では,この肝硬変の分類をめぐっての討議がしばしば行なわれた.ただし,日本ではすでに半世紀以前に提唱された長与の甲型・乙型の分類があって,病理学者の多くが,これを踏襲しているので,多くの病理学者と内科学者により主張された分類も,つまるところはこの甲・乙両型の意味づけと亜型の設定などによる修飾が主であった.その内容は大同小異ともいえるが,最終的な調整ができないままに,現在に至っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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