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治療のポイント
術後肺炎の予防と治療
著者: 宮本忍1
所属機関: 1第2外科
ページ範囲:P.38 - P.41
文献購入ページに移動外科手術後におきる肺合併症として最も多いのは,いうまでもなく無気肺であって,肺炎はその続発症として2次的におきるものと考えてよい.しかも,術後肺炎は気管支肺炎の型をとり,大葉性肺炎はまれである.これに対し,術後の吸引あるいは誤嚥による肺炎は区域ないし肺葉全体にわたるから気管支肺炎よりも大葉性肺炎の型をとりやすい.しかし,この場合も吸引あるいは誤嚥の直後には気管支の閉塞による無気肺を生じ,2次的に感染をきたすものと考えてよい.したがって,実地臨床では術後肺炎を問題とするよりはむしろ手術後無気肺の予防と治療をまず最初に考えるべきである.
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