icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina8巻1号

1971年01月発行

文献概要

日常検査のすすめかた

黄疸と臨床検査

著者: 只野寿太郎1 林康之1

所属機関: 1順大臨床病理

ページ範囲:P.64 - P.65

文献購入ページに移動
 日常診療でしばしば遭遇する黄疸は,血液中に増加したビリルビンが結合組織に沈着し,皮膚・粘膜が黄染する病的状態と定義できる.しかし皮膚の黄染はCarotenoidを大量に含有する食品の摂取後にも見られるので,まずビリルビンによるものかどうかを鑑別することも必要である.
 血清ビリルビンの増加は1)溶血による過剰産生2)肝細胞での間接ビリルビンの摂取障害3)肝細胞での間接ビリルビンの抱合障害4)肝細胞からの直接ビリルビンの分泌・排泄障害5)肝細胞障害や胆管・胆道系の閉塞による胆汁うっ滞の5種類に大別される.臨床的には内科的黄疸または外科的黄疸に,あるいは間接型の増加する溶血性黄疸,主として直接型の増加する閉塞性黄疸,間接・直接ともに増加する混合型の黄疸と3群に分けることもできる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?