文献詳細
文献概要
新薬の紹介
利尿剤—フロセマイドとエタクリン酸
著者: 浦壁重治1
所属機関: 1阪大第1内科
ページ範囲:P.71 - P.71
文献購入ページに移動利尿剤の開発は,より強力で副作用の少ないものをめざして進められてきた.ここで強力という意味には,より少量で有効ということと,他剤ではどれだけ増量しても利尿をきたさないような浮腫(refractory edema)に対しても有効という2つの事柄が含まれるが,前者は減量によって副作用が改善されないかぎり,臨床的意義はない.
この点1960年初頭に相次いで開発されたfuro-semnide, ethacrynic acidは他剤で無効ないわゆる抵抗性浮腫に,アシドーシス,アルカローシスとは無関係に利尿効果を示し,まったくユニークな存在である.しかし反面,あまりに強力であるため,他剤にも十分反応しうるような浮腫に無計画に投与すれば,脱水症などの体液異常をもたらす危険性をはらんでいる.これら2つの利尿剤以後,特に注目すべきものは登場していない.
掲載誌情報