icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina8巻11号

1971年10月発行

文献概要

治療のポイント

トランスアミナーゼ軽度上昇患者の管理

著者: 市田文弘1

所属機関: 1新大内科

ページ範囲:P.1624 - P.1626

文献購入ページに移動
 血清トランスアミナーゼ(GOT,GPT)の上昇をきたすのは多くは肝疾患である.しかしGOTは肝以外の臓器にも含まれているので,たとえば筋疾患でもまれにはみられるが,ここでは肝疾患に限ることにする.
 近年,血清トランスアミナーゼは容易に測定できるようになるにしたがい,トランスアミナーゼの異常値を示す症例が多くなりつつある.とくに自覚症状が全くなく,ただトランスアミナーゼのみが軽度上昇を示す例を一部の人が提唱するように"Transaminitis"という概念で理解して,疾患との関連において考えなくてよいものか,あるいはやっぱり肝疾患の1つのパターンとして考えて管理すべきか,実地臨床的には大きな問題である.しかしトランスアミナーゼの血中遊出機構も明確にわかっていなく,また長期トランスアミナーゼ上昇患者に対する管理についても十分確立されていない現状である.ここでは日頃経験的に理解している点などを中心に,トランスアミナーゼ上昇患者の管理について述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?