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日常検査のすすめかた
糖尿
著者: 池田義雄1
所属機関: 1慈大阿部内科
ページ範囲:P.1638 - P.1639
文献購入ページに移動尿糖陽性の場合,誰でもすぐに糖尿病を考える.わが国の糖尿病は最近とみに増加の傾向が著しく,その早期発見は,たまたま行なわれた尿糖検査の結果からということが多い.とはいっても尿糖陽性のときすぐに糖尿病と診断してはならないところに問題点がある.もちろん,尿糖陽性者の多くのものが糖尿病で,その一部分が糖尿病にあらざる糖尿と考えて,まずまちがいはない.しかし,条件反射的に尿糖陽性すなわち糖尿病ときめてかかることは良くない.
ブドウ糖は正常尿にもごくわずか含まれている.しかしそれは日常の臨床険査では証明できないほどのものである.したがって,尿中にブドウ糖を証明したら,一応病的な現象と考えてそれ以後の検査計画をたてる必要がある.第1にいかなる状態の尿糖であるか順序よく判断することが肝要である.そして血糖検査,それもブドウ糖負荷試験(G.T.T.)を実施して最後のつめを行なうことが,糖尿病以外の糖尿と糖尿病のそれを鑑別するポイントとなる.
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