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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻12号

1971年11月発行

文献概要

治療のポイント

新しい鎮痛剤—ペンタゾシン

著者: 小林建一1

所属機関: 1慈大麻酔科

ページ範囲:P.1761 - P.1763

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 1)本剤は鎮痛効果が強く,作用時間も長く,副作用も軽度であり従来からの鎮痛剤のなかでは秀れたものといえよう.
 2)各科領域の痛みに効果がある.
 ペンタゾシン(Pentazocine)は,1959年米国Winthrop Laboratoryで開発された鎮痛剤であり,図のようなbenzomorphanの誘導体である.
 モルヒネに近縁の化合物のなかに,麻薬拮抗作用のあることがわかってから,これまでナロルフィンを初め幾多の薬剤が開発されてきたが,本剤はその開発途上に生まれたものである.ナロルフィンは麻薬拮抗作用のほか,それ自身に鎮痛作用があり,一時は鎮痛剤として使用されたが,その向精神作用のため臨床には不適とされた。一方,ペンタゾシンは,麻薬拮抗作用は弱いが,ひとにおける著明な鎮痛作用のため鎮痛剤として登場してきたわけである,本剤は強力な鎮痛作用があり,しかもモルヒネと似た構造をもちながら身体依存性,耽溺性がなく,1966年WHO依存性薬物専門委員会によって非麻薬と認定された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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