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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻13号

1971年12月発行

文献概要

Editorial

病理からみた動脈硬化の新しい問題点

著者: 中島輝之1

所属機関: 1久大病理

ページ範囲:P.1863 - P.1863

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 周知の通り動脈硬化症には幾つかの種類があるが,その中で最も問題なのは粥状硬化症(atherosclerosis)である.それはこのものが心筋硬塞,脳硬塞(軟化)などの基礎病変として圧倒的に重要だからである.
 日本人の死因のトップは脳卒中であって,その率はアメリカの3倍に及ぶといわれる.卒中の主な原因は欧米では脳硬塞だが,日本では最近まで脳出血が主であるとされ,その頻度は硬塞の約4倍に及ぶと考えられてきた.これに対し,九大の勝木教授らは福岡県久山町の住民につき,死亡者の殆んど全員の剖検を含む集団追跡調査を行なった結果,40歳以上の1658名中,7年間に脳血管障害で死亡した者104名,その内,脳血栓が実に70例を占め,脳出血の20例の3.5倍に及ぶことを見出した.つまり,日本でもやはり脳卒中の主因は脳硬塞ではないかと考えられるに至ったのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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