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アンリー・デュナンと赤十字の創始
著者: 小川鼎三1
所属機関: 1順大医史学
ページ範囲:P.1971 - P.1971
文献購入ページに移動 赤十字の創始者デュナン JeanHenri Dunant(1828-1910)は実に人類愛に徹した人であり,その生涯は劇的であった.スイス人で富裕な銀行家であったが,北イタリアを旅行して1859年6月24日ソルフェリノの戦いを目撃した.それはフランスとイタリアの連合軍がオーストリア軍と戦ったので,15時間の激戦で4万人あまりの死傷者がでて,救護医療の手段は欠け惨状をきわめた.
デュナンはその光景をみて深く感ずるところがあった.1862年に彼は「ソルフェリノの思い出」Un Souvenir de Solferinoと題する一書を公けにして,戦争の悲惨を描き,戦場で傷ついた将兵を敵味方の区別なく救助すること,そのために篤志者を糾合して国際的な機関を設け常置とすることの必要を説いた.
デュナンはその光景をみて深く感ずるところがあった.1862年に彼は「ソルフェリノの思い出」Un Souvenir de Solferinoと題する一書を公けにして,戦争の悲惨を描き,戦場で傷ついた将兵を敵味方の区別なく救助すること,そのために篤志者を糾合して国際的な機関を設け常置とすることの必要を説いた.
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